
議事録づくりにAIを使うなら、どこまで任せるべきか
議事録作成にAIを使うときに、どこまで任せると効果が高いか、逆に人が残すべき部分はどこかを整理します。
議事録づくりにAIを使うなら、どこまで任せるべきか
議事録は、AI活用の入口としてかなり相性がよい業務です。
ただし、全部を任せると雑になります。
一方で、全部を人が直すと意味が薄れます。
先に結論
AIに任せるべきなのは、発言の整理と要点の下書きまでです。
最終的な確認事項、担当、期限は人が整える方が安全です。
つまり、
- 要点の抽出: AI
- 文章の整形: AI
- 決定事項の確認: 人
- 担当と期限の確定: 人
この分け方が基本です。
なぜ全部任せると危ないのか
AIは会話をそれらしくまとめるのは得意です。
でも、誰が何をいつまでにやるかの精度は、元データと指示に強く左右されます。
ここをそのまま信じると、次のような問題が起きます。
- 「Aさんが確認する」と書かれていたが、実際には「Aさんが確認するかもという話が出た」だけだった
- 決まっていないことが「決定事項」として書かれる
- 担当者名が前後の文脈から誤って補完される
実際の会議では、「〜かもしれない」「〜を検討しよう」という発言が多く出ます。AIはこれを「決定」として整理してしまうことがあります。
AIに向いている部分
1. 長い会話の圧縮
60分の会議をテキスト化すると、数千文字になることがあります。これを読みやすい400〜600字にまとめるのはAIに向いている作業です。Whisper(音声→テキスト変換)やNotionのAI機能、OtterAIなどを組み合わせると、まとめまで自動化しやすくなります。
2. セクション分け
議題ごとに分けたり、話題転換を整理したりするのも向いています。「〇〇について」「次回の確認事項」のように分類するのは、AIが比較的正確に判断できます。
3. 共有用の文章化
口頭のラフな会話を、読みやすい共有文へ整えるのも相性がよいです。「なんか〜みたいな感じで」という発言も、「〜の方向で進める方針」と整形してくれます。
人が残すべき部分
1. 決定事項の確定
会議中に曖昧なまま終わったことを、AIが勝手に補ってしまうことがあります。特に「〇〇案を採用する」という表現は、「〇〇案を検討する」とは意味がまったく違います。ここは人が見て確定した方がよいです。
2. 担当者と期限
特に実務では重要です。ここがずれると、議事録の価値が下がります。会議後5分で担当と期限だけを確認する習慣を持つと、AIまとめの信頼性が上がります。
3. 外に出す表現
顧客共有や社外共有に使う場合は、トーンや表現を最後に人が整えた方が安全です。AIは丁寧な文章を作りますが、相手との関係性に応じた細かい調整は人が持つ方が安心です。
使い方の現実的な落としどころ
一番現実的なのは、会議後に次の流れで使うことです。
- 会話をテキスト化する:録音からWhisperやOtterで変換するか、会議ツール(Zoom・Google Meet)の文字起こし機能を使う
- AIに論点整理をさせる:「議題ごとに整理して、決定事項と宿題を分けて」と指示する
- 決定事項だけ人が確認する:AIのまとめを読んで、「決定」になっている部分だけ実際の会話と照合する
- 共有向けに整えて出す:関係者の表現チェックをしてから送る
この順なら、時間短縮と精度のバランスが取りやすいです。慣れると、会議後10〜15分で共有できるようになります。
まとめ
議事録づくりでAIを使うなら、下書きと整理までは任せてよいです。
ただし、決定事項、担当、期限は人が持つ。
この線引きをしておくと、便利さだけでなく実用性も保ちやすくなります。


